システムトレードとは、事前に決めておいた売買ルールに従って、機械的に取引を行うトレード手法の事をいいます。

「○○指標がn値になったら買う!売る!」など、過去のデータを使って検証が可能な数値や指標などの組み合わせで売買ルールが作成されます。

なぜ、このシステムトレードが注目されているのかというと、一番のポイントは、調子のよい時、調子の悪い時の資金管理の目途が事前に立つ事だと思います。

例えば、ある売買ルールを、過去データで検証をかけた結果が、勝率60%、平均利益1万円、平均損失1万円だとします。
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この場合、資金100万円で100回取引を行うと、60勝40敗の成績が期待できます。
平均利益、平均損失も事前に分かっているので、100回取引した後に期待できる利益が20万円である事も事前に把握できます。

逆に調子の悪かった時期の検証結果も調べておきます。
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調べた結果、調子の悪い時期は、勝率40%、平均利益1万円、平均損失1万円になる事を、事前に確認できていれば、100回取引した後に想定すべき損失が20万円になる事が予想でき、備えるべき余裕資金の目途がたつのです。

調子のよい時、調子の悪い時、どちらの場合の事もきっちりと考えて売買ルールを構築しておけば、堅牢で息の長い取引が可能になります。

システムトレードは得られる利益に注目が集まることが多いのですが、得られる利益にばかり注目して、調子の悪い時の想定ができていない売買ルールで運用した場合、破産する可能性も出てきます。調子の悪い時でも破産しないように考慮された売買ルールを作ることができる、これがシステムトレードの最大の魅力になります。

闇雲に直感だけを信じて資金を市場に投入するトレード手法よりも、断然有利にトレードを進められるという事です。


通常、システムトレードと言えば、FXや日経225先物をターゲットにした自動売買をイメージする方も多いと思いますが、これから紹介していくのは個別株を対象とした株システムトレードについてのお話です。

株システムトレードでは、個別株を対象にして約4,000銘柄ものターゲットに対して取引を行います。FXや日経225先物であれば、そのものずばり、1銘柄のみになります。よって、株システムトレードは他に比べて、取引チャンスが圧倒的に多いのです。

株に限らず、システムトレードでは、検証段階での取引サンプル数がシステムの信頼度に直結します。ですから、株システムトレードの特徴である、「対象銘柄の多さ」 は非常に重要なのです。

このように、魅力的な株システムトレードについて、順を追って解説していきたいと思います。


次回は、システムトレードを学んでいく上で最低限必要となる基礎知識を紹介したいと思います。
基礎知識

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